クリエイティブ職でも安心はできない!
AIがクリエイティブ職の仕事を奪う?
人間がAIに仕事を奪われないためにできることは、AIが苦手とする分野の仕事を選ぶことです。クリエイティブ職はAIの不得意分野といわれています。しかし、今後AI技術がさらに進化していく中で、クリエイティブ職の領域にまで進出してくる可能性もゼロではありません。もしAIが人間の創造性と変わらない能力を出せるようになったら、クリエイターの仕事の多くがAIに奪われてしまうかもしれません。企業がクリエイターに仕事を発注する場合、ひとつの作品が完成するまでには相応の時間とコストがかかりますが、AIが人間と同等の仕事をこなせるなら時間とコストを大幅にカットできます。クリエイターに仕事を発注する側にしてみればAIはメリットがいっぱいありますが、これによって人間のクリエイターが数多く余ってしまうでしょう。
固定ファンを多く持っているクリエイターは、AIクリエイターの影響をほとんど受けません。ファンはそのクリエイターの作品やクリエイター自身が好きで作品を購入しているので、どれほどAIがいいものを作ってもそこに魅力を感じません。ミュージシャンの演奏と比較してAIの演奏のほうがハイレベルだとしても、ファンが求めているのは人の心のこもった演奏です。クリエイティブ作品は、完成度の高さや正確さ以上に誰が創作したものなのかが重要なのです。クリエイティブ職だからAIに仕事を奪われることはないと安心しきることはできませんが、ファンに愛されるクリエイターがAIに負けてしまうことはないでしょう。
生き残れるクリエイターとは
インターネットが普及し、SNSなどを使って個人が簡単に情報を発信できる時代になってから、クリエイターの数は急増しています。クリエイターを探したい企業とクリエイターをつなぐマッチングサイトも盛況で、プロとアマチュアのクリエイターが肩を並べて競い合うような状況です。クリエイターの選択肢が広がったことにより、成果物の質より価格で選ぶ企業も多くなりました。そのため、クリエイターにとって今後どう生き残るかが大きな課題です。ここでクリエイター業界にAIクリエイターが参入してくれば、あっさりと淘汰されてしまうクリエイターが続出するでしょう。多くのクリエイターが淘汰された後に生き残っているのは、個性を生かした良質な作品を生み出し続けることができて固定ファンも多く獲得しているクリエイターということになります。クリエイティブ職に限らず、多くの業界で製品やサービスのコモディティ化が進んでいます。それぞれの業界で生き残るためには、競合との差別化をどう図るかよく考えなければなりません。